“追跡!保育者の昼ごはん” 〜異色!園長は、カメラマン〜
汐見稔幸先生(教育学、教育人間学、保育学)責任編集、雑誌エデュカーレ。
保育者のための専門誌でイラストエッセイの連載をしています。保育者さんたちのお昼時間、どんな感じなんだろう?何食べているんだろう? 実際、0歳のときから就学前まで息子を保育園に通わせていましたが、よくわからなかったし、編集者さんよりこの企画のご提案をいただいたときは、素直に「おぉ、それはいいかも。」と、描き始めた新シリーズです。
この保育園はプロのカメラマンさんがひょんなことから園長としてこの保育園に就任しました。紆余曲折、人生いろいろ、うれしたのし苦悩情熱あれこれ、食べながらいろいろお話をうかがえました。取材して描くスタイルは、経験としてまだまだひよっこの初心者のワタクシでございます。取材に行って驚くこと、それはどの取材対象者さまもいろんなこと、たくさんたくさん、いいこと悪いこといっぱいお話ししてくださいます。お昼テーマのこと以外をたくさん描いてご紹介することはできませんが、“お昼ご飯を食べながら話す”というラフさは、取材自体を和ませてくれる効果があるかもしれません。取材を快く受けてくださった大野先生に感謝です。
仕上がりはこんな感じです。
そして右ページ拡大!
実際このエリンギの輪切り、この日のうちに我が家の晩ごはんのスープの中に再現!
左ページも拡大
●本文●
「先生たち、いつ、どんなお昼を食べてるんだろう?休憩時間どうしているのかなぁ」そんな興味から新シリーズでは、保育士さんのお昼ご飯を取材します。
埼玉県のふじみ保育園の園長兼理事長、大野広幸先生のランチは給食です。
大野園長はプロカメラマンとして30年間活躍してきました。野生のトキの撮影では第一人者! また、たくさんの子どもや保育園も撮影しました。そんな中、さまざまな巡り合わせで5年前、昭和28年開園の、この、ふじみ保育園の園長に就任。生活は一変、大変なことの連続ではありましたが、長年のカメラマンとしての活動が不思議と、園長の仕事に役立っているのですからおもしろい。
この保育園では長年、主食は持ち込みでしたが大野園長が完全給食にしました。田んぼにやってくるトキの撮影をしているときに知った、佐渡島の棚田で作っている減農薬米を取り寄せて提供しています。また、カメラマンとしてたくさんの子どもたちを撮影して、家では手作りのごはんをほとんど食べていない子が意外にも多いことを知っていました。どんな子にも1日1食はきちんとおいしくて体にいいものを!と、そんな園長もランチの給食を食べるようになった5年前からすこぶる体調が良くなったそうな。身をもって体感して、さらなる“食育の野望”を熱く語ってくれたランチタイムのひとときでした。
イラストと本文:渡辺千春
雑誌エデュカーレ
http://ikuji-hoiku.net/educare/
汐見稔幸先生
http://ikuji-hoiku.net/shiomi/index.html
ふじみ保育園